企業価値向上PART6 最終回
- 2017.10.03
- 経営
<企業価値向上PART6 最終回>
5回にわたり企業価値向上について書いてきましたが、
そんな簡単にできるなら苦労しないと思われている方も多いと思います。
そこで今日は財務戦略に非常に相性のいい取組みやすいツールの話しをさせて頂きます。
それは「生命保険」です。
生命保険の有効活用について触れていきます。
えっ保険が企業価値向上とか財務と関係があるのか。
と感じた方も多いかもしれないですね。
多いに関係があります。保険と財務は非常に相性が良いです。
保険は何のために加入していますか?
『万が一に備えて』だと思います。
保険は管理していますか?
できていない会社が意外に多いです。
生命保険の本質と財務戦略
財務をコンサルする上で、よく感じることがあります。
ひとつは生命保険が戦略的に活用されていないことです。
税金すなわち節税の対策になっていても、財務戦略としての可能性を拡げていない。
戦略的な運用ができていないと感じます。
もちろん利益を繰り延べる手段として活用されているのですが、
単年度の損益で判断しているので、その視野を越えない。
『銀行取引における生命保険の位置づけ』
私の見解ですが保険加入状況の銀行に対する開示は、
数年後間違いなくスタンダードになると確信しています。
銀行は貸金の回収困難な先に対して、保険証券を回収して簿外資産の確認、
解約返戻予定金の把握、万一の場合の保険金額など貸金回収のシュミレーションをしています。
しかし、通常の貸出先にはほとんど保険加入状況までは調査していません。
保険加入状況を現行へ開示することで、銀行の取引先に対する評価はプラスのなることしかありません。
開示するかどうかは財務内容、資金調達の必要性で検討すれば良いことですがいつでも
開示できる体制を整えておくことは絶対に必要です。
決算書では経費で保険料の引き落とし金額、資産に保険積立金の金額は把握できますが。
決算書以外の帳簿意外の資産は取引先が開示しないと読み取ることはできません。
加入状況をオープンにすることで経営姿勢を見せる、
とくに経費性が強い積立型の保険は簿外資産を開示して安心感を与えることで
資金調達はスムーズになります。
また生命保険の解約金を資金繰りに活用することがあります。
加入件数の多い企業は、どの保険を解約すべきか判断する上で、
解約金の金額・返戻率で選ぶだけでなく、将来的な保障の優位性、
将来の解約金の推移、解約した場合に上がる雑収入などのハンドリングも大きなポイントになりますので、
即時判断ができるような準備にも必要とです。
『個人財産の充実』
財務コンサルを行う中でもう一つ、解決したい課題がありました。
それは「経営者の個人資産の充実」です。銀行員時代から多くの会社、
経営者と関わってきました。会社を起こして継続させて後継者に会社を引き継ぐ。素晴らしいことだと思います。しかし、振り返ると無事に会社は引き継げても、個人の資産はほとんどないんです。なんとか生活できる程度。。。これでは、会社経営をして必死に働いて後継者に引き継ぎができたのに。。。寂しいなぁと思っていました。原因は財務戦略の欠如だと思っています。
個人契約の保険と法人契約の保険は経営者個人のライフプランにおいて、
関係性があり、加入状況によってはそこを整えるだけでも個人・法人のキャッシュフローが
劇的に改善する場合もあります。また生命保険は、個人・法人間で譲渡が可能ですので、
個人の資産や保障の充実を図ることができます。
ひとえに生命保険と言っても、経営・経営者のライフプランと交差しており、
財務コンサルをする上で、大変重要なファクターであると感じます。
しかしながら、多くの企業はうまく運用・管理ができていません。
税効果・資金効率化、返戻率・保障内容、これらは重要ですがもっとも重要なことは、
経営状況とのマッチング、変化に対応できる備えと管理体制です。
会社は解約返戻率の5%の違いでは倒産はしません。
しかし経営判断の遅れ・急な資金繰り対応・経営者の死亡や病気は会社を揺るがす大きな要因に成りえます。
そのためにも財務コンサルとして保険に積極的に関わり、
企業のファイナンスマネジメント・企業価値向上の支援ができればと思います。
保険の一元管理の必要性
1.経営状況とのマッチングによるファイナンスマネジメント
2.借入に有利に働く
3.個人資産の充実
4.保険は請求主義
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください(^_−)−☆
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