生命保険 「節税保険販売停止」国税が課税見直し方針
- 2019.02.19
- 日常
中小企業経営者らに「節税効果」があるとして、
生命保険各社が競って販売した死亡定期保険について
生命保険大手4社が販売を停止することが、13日わかった。
こうした「節税保険」について国税庁は13日、
税務上の扱いを見直す案を各社に示し、
今後節税メリットは薄くなる。
各社は国税庁が規制に動いたことで、
今後の営業で顧客に節税の幅を確約
できなくなることから、販売停止に動いたとみられる。
販売をやめるのは日本生命保険、
第一生命保険、明治安田生命保険、
住友生命保険。4社は14日から順次新規募集をやめる。
詳しくはこちらの記事 ↓
掛け捨ての保険で、解約返戻金がある事自体が、
本来おかしな事なのです。
掛け捨て保険で解約返戻金が
生じる仕組みは次のようなものです。
年齢によって、死亡率は上がっていく。
よって、本来的には保険料(掛け金)が
年々上がっていくのが、通常考えられる
保険の設計方法である。
それを、期間中一定ではないと日本人は嫌がる!
などの理由を付けて、一定の掛け金にすると、
初期は掛け金を払い過ぎているから、
預かりすぎた分の解約返戻金が生じることになる。
しかしながら、その払い過ぎの部分は
本来的には前払保険料であり、
資産計上すべき性質のものなのですよね。
保険会社は、掛け金を一定にして、
かつ、死亡保険金を年々増やして行く
逓増定期保険を開発した。
これは、初期に多額の払い過ぎ保険料を
生じさせて解約返戻金が高くなる仕組み。
これを完全に封じるには、次の2つの方法が考えられる。
1.保険料を期間中一定にせず、
掛け金を逓増させて行くことにより、
初期の払い過ぎ保険料を無くし、
解約返戻金を生じさせなくする。
つまり、死亡保険金が逓増するのではなく、
保険料逓増させるという本来的に利にかなった設計を求める。
2.保険料を期間中一定のままにするならば、
初期の払い過ぎ保険料は前払保険料として資産計上させる。
つまりは、解約返戻金相当額と資産計上額を一致させるようにさせる。
今回、金融庁と国税庁がここまで
踏み込むかどうかは分かりませんが、
損金計上しているのに解約返戻金がある
というのは本来的にはおかしな話なのです。
2.に近づく何らかの措置が行われると予測されています。
今回、販売停止になるのは
全額損金計上保険のみならず、
半額損金や4分の1損金の保険もです。
そして、保険会社が自ら販売停止をする
ということは、改定が遡及適用される
可能性を感じたからだと思われます。
数年前に、全額損金の逓増定期保険が
半額損金に変えられた時には、
遡及適用はなく、改訂後新たに加入する
ものだけに半額損金が適用されました。
ですので、その時業界は、今のうちだー!
と駆け込み需要に沸きました。
一方、15年ほど前に長期傷害保険が
全額損金から4分の1損金に変えられた
時には、遡及適用されました。
流石に、過去に払ったものは全額損金ですが、
既に加入している保険契約まで
その年分以降は4分の1損金にされました。
こうなると、加入者は保険会社に話が違う!
と大揉めに揉めました。
今回、駆け込み需要を取りに行かない
いや、駆け込み需要を許さないという
国税の姿勢となっている。
もしくは、保険会社の姿勢からは、遡及適用が予測されますね。
大きな動きですので今後の動向に注もしておく必要がありますね。
本来生命保険は相互扶助の精神で作られたものですから
掛け捨て型の保険が本来の姿だと思うのですが
財務の視点から見ると、退職金積立は有効な手段です。
損金処理ができて、簿外積立ができ、退職金に当てれば
節税できますからね。
前田は、解約返戻金のピーク時に解約するという
方々(保険営業マン、税理士)の意見には賛同できず
クライアントには、いつも話をしていますが・・・
解約返戻金がピークの年に解約しないと損する!
ぱっと見そうなのですが、1、2年前後して
解約返戻金ピーク時ではなくても
キャッシュフローの視点で見た場合には
前後1、2年で解約返戻率が5%程度
損したとしても、全く問題ありません。
(詳しくは書きませんが・・・)
単純な解約返戻率ピークで解約を進めること自体
キャッシュフローを無視していますので
ナンセンスなのです。
解約返戻率ピークで解約しないと
勿体無い、損する。
利益を出しすぎたら、税金払うのが嫌だ!
せっかく頑張って利益出したのに税金に持っていかれる。
こういう感情は十分理解できますが
なんのために会社を経営しているのか?
ここの論点が抜け落ちて、損する、勿体無い
などの感情だけで、結論を出すことが
本来の意味で損ですし、勿体無いと
思うわけです。
生命保険も会社の財務に関わることです。
やはり、経営者にはキャッシュフローは
追いかけて欲しいと思います。
最後にもう一度生命保険は相互扶助で成り立つものです。
それでは今日も素敵な1日をお過ごしください(^_-)-☆
生命保険は相互扶助の記事はこちら↓
https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/guide/study/hoken_02.html
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