銀行取引戦略
これは最初から実例で書いていきますね。銀行取引は最低2行の取引が必要です。
会社に規模によっては3行以上の取引が必要です。(銀行取引とは融資取引と認識してください。)
1行(A銀行とします。)しか銀行取引のない会社のケースです。
A銀行借入申込を行いましたが、保証協会付きとプロパーで対応してくれましたが、
保証協会付きもプロパーも長年取引している割にはかなり少ない金額でしたので、クライアントの社長と話て銀行取引を2つ増やすことにしました。
1つは政策公庫です。ここまで書いてきたような対応で進めてます。
銀行の方ですが、決算内容も良好なので、ある銀行(B銀行)に待ち込みました。
保証協会付きとプロパー融資の合わせ技ですが満額回答です。銀行は新規融資先には必ず保証協会付きを進めます。
もう一つ必ず、新規の銀行が言う台詞があります。『既存の銀行の借入も全部肩替わりさせてください。』と言います。
希望額が借りれるなら仕方ない。と一般的には考えがちですが
ここが大事です。今回の申込には目的が2つあります。
- 資金調達
- 銀行取引を増やす
です。既存の借入を全て肩替わりされると結局、1行取引になりますので②の目的が達成されません。
今回の例では、既存の銀行からの資金調達金額に満足できていない。
会社の規模拡大に伴い2つ目の銀行を探している。
もちろん御社(銀行)が今後も全面的に資金調達の面倒を見てくれるという約束がとれるのであれば全面肩替わりも検討しますが、新規取引でそこまでは、できないでしょう?
なので、既存のプロパー融資と保証協会付き融資の少額の方(保証協会付き2口あった)だけは残しておきたい。
いうことを伝えました。
まだ続きがあります。
次はA銀行との銀行交渉です。B銀行に肩替わりされているのですから、今後の対応がどうなるかを確認する必要があります。
今後は支援してくれるのかどうか?
その回答次第では、違う銀行を探さないと目的が達成されませんからね。
今回のケースはA銀行がそっぽを向いてしまうことを想定してB銀行と交渉をしています。
A銀行にはプロパー融資と保証協会付き融資が残っています。次の新しい銀行(C銀行)にはこの肩替わりをお土産にするという作戦です。
C銀行もB銀行銀行同様、おそらくプロパーのみでは対応は厳しいと思いますので、保証協会付き融資を進めてきます。
C銀行に融資の相談したら、保証協会付きを進めてきます。
でもB銀行経由で保証協会付きを増額で借りているので半年間は借入はできません。
今回はここを想定してましたので、A銀行に保証協会付きの残高があります。
プロパーもありますが、保証協会付きではプロパー資金の借換えは資金使途違反になります。
ということから
C銀行が融資取引をするにはプロパー資金の対応を行うことが条件みたいになります。
もちろん保証協会付きのA銀行分をC銀行が保証協会付きで肩替わりするのは問題ありません。
いつも私が頭の中で自然と行っているスキームを書き出しましたがわかりましたか?わかりにくい点や聞きたい点があれば、気軽にお電話くださいませ。
ポイントとしては、新規銀行取引を行う時になかなかプロパーで対応してくれる銀行はないということです。
新規融資は保証協会付きが大前提になると言うことです。
しかし、裏を返せば保証協会付きなら少々財務内容が悪くても貸してくれると言うことです。
保証協会付きだけで対応してくれる銀行は沢山あるということになりますので、
その状況の中でどこまでプロパー資金を抱き合わせて貸してくれるかが今後の取引銀行を選ぶときの価値になる訳です。
経営していると右肩上がりで成長する会社はほとんどありませんので業績が思わしくないときもあるはずです。
そんな時に資金繰りでバタバタして業績回復に集中できないようでは本末転倒ですので、業績の良いときほど銀行取引を戦略的にやって頂きたいと思います。
参考になると幸いです。